去年の暮れ、同僚Cと飲んでいる時のこと。
同僚Cが酔って、「取引先の子がさ〜、すっごくいい子なんだよ。よし、呼び出しちゃおっか!」と言い出し電話すると、その子はノコノコとやってきた。それがイケメンR君との出会いだった。
30分ほどしてやってきた彼は、背が高く筋肉質で、でも顔は細くスッとしていて、爽やかなイケメン君だった。
「初めまして〜!(くったくのない笑顔) Rと申します。」
むむっ!ヤバイ。好みのタイプだ・・・・。
「初めまして(笑顔)、nonokaです。」と、名刺交換をしながら、すかさず彼の左手薬指をチェック(笑)
あ、指輪してるわ〜〜〜〜・・・。(がっくし)
まぁ、そうよね。このくらいの歳のいい男はほとんど結婚しているよね・・・。
なんて思いながらも、3歳年下のイケメンR君を交えて話は盛り上がり、私とR君はすぐに仲良くなった。
Cが席を立った時、R君が言った。
「nonokaさんは彼氏いるんスか?」
「いないよ〜。」
「ええ〜〜!!マジっすか???なんで??モテるでしょう??
僕、店に入ってきた時、綺麗な人がいるなぁ〜って思ったんですよ。
nonokaさんのこと。」
「あら〜、さすが営業マン、お世辞がウマイね。でも残念ながらここはワリカンだよ(笑)」
「いや、お世辞じゃないっす。本当に思ったんですよ!
彼氏いないなら、また今度食事でもいきませんか?」
「食事ってキミねぇ、結婚してるじゃない。何言ってんのよ。」
「あ、やっぱ気付いてましたよね〜、指輪。はずしとけばよかったな。
でも奥さんと子供は実家にいるから、自分今ひとりなんですよ。
食事くらいいいじゃないですか〜。いきましょうよ。お友達としてならいいでしょ?」
ああ、なんて甘い会話だろう。久々だわ〜、こんな感じ。
しかもめっちゃ好みのイケメン君にそんなこと言われたら断れないよ・・・。
ま、友人として食事くらいなら。
なんて自分に言い訳しつつ、言われるがまま、イケメンR君と後日再会することにした。
・・・・・・・
R君は自由人で、話上手で、彼の話はどれも全て面白かった。
アパレルで働きながら自分に投資した話、単身イタリアに行って現地の男性と毎晩語っていた話、私も大好きなBEN FOLDS FIVEと仲良くなり、楽屋に遊びに行った話、学生じゃないのにしれ〜っと某大学の講義を受けていた話・・・・。
楽しそうに話す子供のような彼を見ていると、私もとても楽しい気分になった。(何より、好みの顔だし(笑))
彼との話は尽きることなく、一度会うと深夜まで話込んでいることが少なくなかった。
何度か会った時のこと。
彼がぼそっと
「nono姉と、3年前(奥さんと結婚する前)に出会っていればな・・・・」
と言いながら、淋しそうな目をして私の前髪を指で撫でた。
・・・・・・
をいをい、マジ惚れしてしまうがな。いや、いや、そうじゃなくて。
その時思った。
これはイカン。彼は私なぞ遊びかもしれないが、
私は、去年に引き続き、痛い目にあってしまう・・・。
万が一、億が一、彼が少しでも私のことが好きならば、
それはそれで、彼のためにもならない。
何より、友人としてならまだしも、それ以上の感情が芽生えることは、
私の中であってはいけないことだー・・・。
な〜んて・・・。
最初からわかってた。
私は、あの居酒屋での誘いを断るべきだったのだ。
「友達」以上の感情が芽生えることなんて、容易に想像できていた。
だけど、自分の心の弱さから、彼と会うことを選んでしまった。
彼にも、彼の家族にも、悪いことをしてしまったな・・・。
彼のその言葉を聞いて、私はひどく反省した。
そして、それ以来、彼からの誘いを断ることにした。
彼は戸惑っていたが、私の気持ちを察したのか、あまり深くは追求しなかった。
・・・・・・
そうやって、彼との関係は終わった。
あ〜。今思い出しても惜しい・・・。
容姿性格ともに自分の好みの男性と相思相愛になることなんて、いや、そんな相手と出会うこと自体、なかなかナイことだと思う。
まぁ、彼の言葉が真意なのかどうかはわからないし、私は都合の良い相手だったのかもしれない。
でも、とても有意義な時間を過ごさせてもらいました。
R君、ありがとう。
そして、さようなら。